今回は僕が社会人1年目の時に経験した話です。
とある会社に詐欺られかけたという危険なお話・・・。
まずは登場人物などを簡潔に
これは5年以上前の話になるため少し時系列がズレていたり、言葉の表現が違ったり、細かい数字が違ったりしていると思います。
ですが、全て実体験なのでよろしくお願いします。
話のきっかけ
事の始まりは知人からの話「こういう話があるんだ」
それはとある商品のリース契約について。話の中身は「この商品を俺たちがレンタルして、それを会社(以下X)が顧客へ貸し付ける。月毎の契約になってて、レンタルしている俺たちには毎月利益の一部が振り込まれる」というもの。
今思えば怪しいマルチですが、当時の僕は投資をしていなくお金に関する知識も何もないペーペーでした。
そして、近々でそのXが主催するパーティーがあるらしく誘いを受けました。結果として、僕は別の友人と2人なら大丈夫かなと思い参加します。
会社主催のパーティー
パーティー当日。
僕は友人と一緒にそのパーティー会場へ足を運びました。会場には50名以上はいたと思います。
20代前半の若者から60歳を超えていそうな人まで老若男女。そして誰もがお金持ちそうな雰囲気を漂わせていました。
パーティーの内容はXの現在の状況と、今後の展望について。あとは普通の交流会という感じでした。
そしてここでとある社員の人と仲良くなり、名刺交換をします。
「ぜひ今度会社まで来て話を聞いてみないかい」
人当たりの良い社員の言葉にそれほど警戒を抱くことなく、僕は約束をします。
不安だろうから、ということで僕にきっかけをくれた知人も一緒に行くことに。
ちなみに、友人はそのパーティーに参加しただけでもう登場しません。
会社訪問
そして僕は知人と会社に訪れます。場所は札幌市内の某所。
社内はとてもきれいで社員の人たちもハキハキとしている。
でも違和感が。
長い机にパソコンと電話しかない・・・。資料を入れておくキャビネットもないし、ファイルやペンなどをしまっておくような棚もない。ただ机にパソコンと電話が並んでいるだけ。
社会人1年目ということもあり、他社の職場環境に触れていない僕は違和感を覚えながらもスルーします。
そして奥の部屋で色々話を聞きました。
「1口の契約で20万円。1口で月々●●●●円くらいが振り込まれる計算に」
「減価償却が年毎に・・・」
「途中で解約した場合は・・・」
とりあえず今日は説明だけで興味があればぜひまた、ということで退席しました。
そして後日、僕は1人でXの元へ向かいました。
そう、僕は興味を持ってしまったのです。優しい社員、きれいな会社、とりあえず納得できそうな儲け話・・・
そうした要因が重なり、不安を覚えながらも僕は向かってしまったのです。
社長との対談
社員に導かれ、僕はなんと社長室に入りました。
そこには見た目も雰囲気も堂々とした社長の姿が。
そして会うなり、ポケットから大量のクレジットカードや高級車の写真が出てきました。
話の詳細は省略しますが、要は「契約すれば君もお金が手に入る」という持ちかけです。
その中でも一番驚いたのが「お金を借りることがダメ、危ないと考えるのは負け組の発想だ。勝ち組はお金を存分に借り、それを効果的に使ってお金をどんどん生み出している。1口20万円だが、今の君の手持ちのお金で契約できるのはせいぜい数台・・・。それでは意味がない。手順は教えるから、カードローンを組んでお金を借りよう。もちろん利息はあるが商品の利益がそれを十分に上回る。さあ、こちらへ。」というような社長の説得。
そして別室へ・・・
カードローンの契約
部屋に入ると数名の社員がパソコンと共に座っていました。
そして一言「これからカードローンの審査に申し込むので、まずは1社の入力をお願いします。入力は大変なので、我々も一緒にお手伝いをさせて頂きます」
これは以下の通り絶対にしてはいけないことです。
名義貸し
他人名義でカードローンに申し込んだり、自分の名義を他人に使わせること
立派な詐欺行為であり、犯罪にあたる。当事者同士での同意の有無などは関係ない
バレた場合はもちろん罰則を受け、今後の利用禁止や事故情報として記録される等厳しいペナルティがある
その日、僕は数社だけ申し込みをします。そして社員からは「審査の結果が出たら連絡して下さい。実際にお金を借りた後の流れについて説明します。」との言葉。
そして僕は帰路に向かいました。
緊急相談
その場では緊張していたのか、家に帰ってから不安や恐怖を感じた僕はインターネットで色々調べます。
Xの情報、カードローン、利息・・・。
すると先述したように自分がしようとしていたこと・されていたことは名義貸しという詐欺、犯罪であることが明るみになったのです。
僕は大急ぎでカードローンの審査を申し込んだ数社に電話をしました。
「こういうことがあって、他人と一緒に審査に申し込んでしまった。今すぐに中止したい」
電話の方は真摯に対応して下さり、最終的に僕は全ての審査の中止をすることができました。
中には「そうした手段を用いた詐欺が少なくない。今回のように気付いて良かった。今後もぜひお気をつけて。」といった言葉をかけてくれる方もいました。
ひとまず最悪の事態は避けられた。ですが最後の難関、社員への連絡が待ち受けていました。
社員とのメール
社員にはどう説明しよう・・・。
僕は悩んだ結果、馬鹿正直に言うのではなく次のようにメールを送りました。
「審査結果が来ました。結果は通りませんでした。まだ連絡がきていない審査もありますが、段々不安になってきたので申し訳ないが今回の話は全てお断りさせて頂きたい。」
実際の文章は覚えていませんが、大体このような文面を送りました。
そして社員から返信が
「それは残念です。あなたは頭が良く話の分かる人だと思っていましたが、そうではなかったようですね。せっかくの機会を自ら潰すのはとても愚かですが、自分で選んだことなので仕方がないですね。」
これも実際の文章ではありませんが、ニュアンスとしてはこのようなことが書かれてありました。
そして僕は確信しました「中止をして本当によかった」
知人の話
そして僕は一連の流れを多少誤魔化しながら、知人に事の次第を伝えました。
するとこのタイミングで恐ろしい一言が。
「俺はずっと前に契約してるけど、まだ振り込まれていないんだよね。来月は、来月はと言われて待っている状態。でも連絡は取れてるから大丈夫だと思っている。」
知人の雰囲気的には、僕を巻き込もうとしているのではなく本当に良いものを共有したいという感じでした。
何事もそうですが、相手に騙そうという気がないと見極めにくくて本当に危険ですよね。
まとめ
結果的に僕は実被害を受けずに逃げることができましたが、連日詐欺のニュースは流れていますよね。
そうしたニュースを見るととてもやるせない気持ちになります。
悪いのはもちろん働きかける側の人間ですが、騙されないために対策をすることは必須だと思います。
僕はこの時の経験を活かして、お金に関する情報はしっかり確かめるように心がけています。
皆さんはマネーリテラシーに長けた方たちばかりだと思いますが、この記事を見て少しでも注意の意識を高めることにつながれば幸いです。
お読み頂きありがとうございました。